矯正職9級と7級の違い
矯正職9級と7級のどちらを選ぶべきか迷っている方もいるだろう。9級と7級は同じ組織内でも役割と人生の方向性が大きく異なる。この記事では現職者の経験談をもとに、矯正職9級と7級を現実的に比較する。
9級:ワークライフバランス重視
矯正職9級は、夜勤や日勤のいずれも比較的余裕があり、単純かつ反復的な業務に専念できる。与えられた役割を忠実に遂行しながら、退勤後には個人の時間を十分に確保できる環境が整っている。
そのため、結婚や育児、不動産投資など個人の生活に集中できる時間が確保され、多くの9級出身者が地元での生活基盤を築き、不動産や資産管理で成功を収めているという声もある。ある現職者は「7級に昇進して家族と離れて官舎生活をするよりも、9級で地元に定着して暮らす方が合理的だ」と評価している。
7級:昇進競争と組織内評価
一方、矯正職7級は単に「級数が高いだけのポジション」ではない。実際、初めの1〜2年は単純な現場業務を担当することもあるが、その後は総務や人事などの部署に移動し、「事務」に近い業務を任される。
この過程で実績や成果に対するプレッシャーが増し、勤務態度や業務能力が人事評価に直結する。昇進の機会は多いが、それだけ競争も激しい。特に7級は組織内で「昇進を目指して入職した人」という認識が強く、実際に教官以上を目指す人が大半を占める。しかし、その道は決して容易ではない。教正官以上の職位は限られており、激しい評価競争や人事異動、ポジション不足など現実的な壁が存在するためだ。
人事異動と循環勤務の負担
7級出身者は6級を取得すると、3〜5年ごとに全国規模の循環勤務が義務化される。これはつまり、子供が中学や高校に通う時期に全国を転々とすることを意味し、家族と離れて官舎生活を選択することもある。定着よりも移動を重視した生活を送ることになるため、結婚や育児、地域に根ざした投資を計画する人にとっては大きな悩みとなり得る。
7級の権威 VS 9級の実利
多くの受験者は「塀の外での生活を重視するなら9級、塀の中での出世を重視するなら7級」という結論に達する。組織内での権威や待遇は7級以上に確実に多く与えられ、これは一線の矯正業務よりも行政や管理の役割を果たすポジションでより顕著に現れる。
しかし、実質的に生活の満足度を左右する要素は給与だけではない。同じ矯正職でも9級は自律的な時間の活用と定着型キャリアに適しており、7級は挑戦と昇進を重視したキャリアにふさわしい。実際の現職者は「7級に入ると誰もが昇進競争に巻き込まれ、その中で諦めると組織内で淘汰されたと評価される」と語る。
9級と7級、どちらを選ぶべきか
矯正職9級と7級のどちらが良いかは、単に級数の違いだけで判断することはできない。実際の現職者たちの反応を見ると、明確に二つの立場が存在し、それぞれが重視する価値に応じて意見が分かれる様子が見られる。
9級が優れていると考える人たちは、主に業務の負担が軽く、ワークライフバランスが確保され、地元に定着できる可能性を最大の利点と見なしている。9級は反復的で規則的な業務に集中でき、退勤後は完全に個人の時間を楽しめると評価されている。
一方で7級が優れていると主張する人たちは、昇進と組織内の地位、そして速いキャリア上昇を最大の利点としている。実際に7級は初めのうちは現場業務を行うが、ある時点からは総務、人事、企画などの行政部署に転じ、より高位の職務を経験できる。
矯正職に興味がある方々が賢明な選択をする際の参考になれば幸いである。